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この恋と、その未来―3年目 そして―

1年更新しなかったかと思えば連続で記事書いてしまうのはご愛嬌ってことで。

鉄は熱いうちに打て。読了して数時間後のネタバレ感想記事です。もし見たくない方はいっちょまえに続きを読む機能使うので自衛してください。

なんだかんだ未来とくっついて終わるのではないかと考えていた人にとっては納得のいかない終わり方だったのかもしれないが、この結末で私は概ね満足だった。

それは私が広美さんがヒロインのなかで一番好きであったからというのを抜きにしても、どこまでも未来は四郎のことを”親友”としてのみ見ていたからこそ生まれた未来の決断で最後を迎えられたからだ。

四郎は、広美さんと結婚すると周りに言って自らの退路を断つことによって未来を諦めようとしていたのかもしれない。物語の最後、未来と四郎を引き合わせた父判の判断は

一歩間違えると四郎に未来への情を再燃させてしまうとんでもない間違いだったかもしれない。それでも、未来が四郎を親友だと信じていたこと、四郎も未来のことを仲の良い親友だとも想い続けていた結果が全てが丸く収まった要因となったんだと思える。

「本当に、お前に会えてよかった」未来のこの言葉が全てを象徴していると思います。

 

この最終巻、概ね満足だった、というのは5巻でなんとなく伏線を張ってはいたものの、未来と二胡がくっつく3巻の流れがそのまま最後に来ることが現段階では完全に納得できていない。四郎が二胡に秘密を打ち明けるまでどれだけ本気だったかがわからないこと、なぜ1人立ちをしようと決めた未来が住処と金銭面の問題があったとは言え二胡に頼ることを選んだのか。・・・まあ、将来的に未来が四郎の義兄?になる可能性があるというのは面白くはあるのだが。

 

キャラに触れていきたいと思う。

最終巻で再登場し、触れなければならないキャラとなった山城要。

まさか四郎と別れてから10歳上の男と付き合っているとは思わなかったが、これによって面白くなったのが、山城要が四郎に対して発した似た者同士発言。四郎は納得し、山城要と和解できたことに喜ぶという流れになった。未来が手回ししてくれたこと自体の喜びもあったのだろうが。

この似た者同士発言で面白いなあと思ったのが、四郎が広美さんと付き合うという選択をしたことによって四郎がこの作品の中で苦手意識を抱いていた父親と山城要、その両方ともと同じ穴の狢となってしまったことだ。当初2人を嫌っていたのを同族嫌悪だったのかと考えるとだいぶ見方が変わるところがあるかもしれない。

 

メインヒロインとなった広美さん。

四郎も自分で言っているが、最初は昔好きだった四郎の父親の代替品だったのかもしれない。それでもお互いに人には言えない秘密を共有した仲というのはとても強いものであると再認識させられるヒロイン像である。こう言ってはなんだが、広美さんの抱く松永家への恐怖心さえなくなれば一番丁度いいところに収まったなあという感じではある。

・・・27歳であのキャラクター性ってめっちゃ可愛くない?なんとなく結婚できない理由もわからんでもないけど。

 

そして最後に三並”夫妻”。

東雲侑子」シリーズからこの作品を読んでいた人からすれば、この2人が5巻で結婚するという流れにジーンときたであろう。三並くん、西園と呼んでいた2人の関係が互いに下の名前で呼んでいる今作の5巻で萌えた人はいっぱいいるのではないだろうか。

この最終巻の森橋ビンゴ先生のあとがきのさらにあと。挿絵を担当したNardack氏の最後の絵が高校生当時の三並夫妻でとてつもない感動を覚えた。ある意味、この四郎と未来の物語のスタートはこの2人から始まっていたのだと改めて思わされた。

 

 

長々と続けたが、この作品がこんなにも綺麗な完結を迎えたことは本当に多方面に感謝してもしきれない。”ライト”ノベルなのかという根源的な疑問はあるが、良い意味でライトノベル業界に一石を投じる革命的な作品だったと思う。

もう小説を書くことはないだろうと言っている森橋先生ではあるが、是非今後も追っかけていきたいと思わされた。

 

本当に、本当に。完結おめでとう。いままでありがとう。